古民家リノベーションの魅力

近年、古民家を再生させてリノベーションすることが注目を集めています。古民家に昔ながらの味わいや良さ、魅力を感じて暮らしてみたいと考える方、先祖代々受け継がれてきた古き良き日本の家屋を将来にも残したいと考える方たちが増加しているようです。

昭和初期以前くらいに建てられた家屋は一般的に「古民家」と呼ばれ、がっしりとした木材をくぎを使わずに組み上げる伝統的な工法で造られています。

リフォームされたときに張られたであろう天井をめくってみると、中から「ゴロンボ」と呼ばれる丸太を活かしたがっしりと太い梁が出てきたりします。

古民家は木材・土・紙などの自然素材を用い、地域の気候風土に根ざし、何世代も住み継がれてきた家屋です。近年は健康や環境面で注目されつつあるとともに、現代にはない落ち着きと味わいがあることから魅力的な存在となっています。

また、使用されている木材は鉄やプラスチックなどと違って、時間とともに強度が増し、それが数百年も持続すると言われており、良質な材料で造られた古民家は腐食しない限り、極めて耐用年数が長い家屋と言えます。

古民家の趣や雰囲気を活かしながら、住まう人が暮らしやすい家に造り直すのが古民家リノベーションです。

 

 

では実際、古民家リノベーションをするにあたって、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

 

 


古民家リノベーションのメリット

 1)古き良き日本家屋を「現代風」に味わえる

2)材料の強度が強い

3)固定資産税が軽減できる

 

 

 

古き良き日本家屋を「現代風」に味わえる

古民家の場合、柱や梁など元々の素材が露出していることが多いです。年月を経ることで生まれた味わい深い魅力を引き出して、新築では出せないような古民家ならではの味わいを活かせるというのが古民家リノベーションの醍醐味です。

使える部分は残しつつ、老朽化した個所はしっかりと補修します。現代の暮らしに合った設備を整え、断熱性や耐震性の補強、ライフスタイルに合った間取りへの変更を行い住まいの機能性を上げれば、モダンで暮らしやすく生まれ変わります。

 

材料の強度が高い

古民家に使われている樹齢100年のヒノキやケヤキなどの木材は強度が落ちるまで800~1200年とも言われています。樹齢100年のヒノキの場合、伐採直後から強度が増し、約200年後にピークを迎えます。それから徐々に強度は低下しますが、1200年を経過しても伐採直後の強度を維持するといわれています。またケヤキの場合でも強度が落ちるのは約800年ほどからと言われています。

古民家の柱や梁などの材料は現在では入手が困難で、唯一無二の素材も少なくありません。入手するのに相当な費用がかかり、入手すらできないこともあるため、希少性が高いことにも魅力を感じるかと思います。

 

固定資産税を軽減できる

固定資産税は築後年数により税額が決定するため、古民家を取り壊して新築を建てるよりも、税金を軽減できます。
新築に比べ安く済む分、節約したり、リノベーション費用にあてることができるため、金銭面で魅力に感じることかと思います。
ただし、増築の場合、新しい建物とみなされ評価の見直しが行われるため、注意が必要です。固定資産税は自治体によって細かな部分での解釈に違いがあるため、古民家リノベーションの際は、最寄りの自治体の窓口に問い合わせてみることをおすすめします。

 

 


古民家リノベーションのデメリット

1)断熱性が良くないこと

2)耐震性に不安があること

3)思っている以上に費用が掛かること

 

 

断熱性が良くないこと

古民家は本来、風通しの良さを重視して造られています。風が通る方向に向けて大きな窓があったり、風が家の中全体を通るように襖や障子などの間仕切りを多く使用したりしていました。

日本独特の湿度の高い気候が関係していて、夏に快適に過ごせることを前提に造られているので、冬の寒さには適していません。古民家リノベーションを考えられる方はお悩みのひとつとして「冬は寒くてつらい」と皆さんおっしゃられます。そのため、リノベーションでは暖房や断熱の対策が必要になってきます。

 

耐震性に不安があること

「この古民家に住んで、地震の時に大丈夫だろうか?」ということを第一の不安材料として思う方も多いでしょう。雨漏りや土台の腐れが解決しても、はたして地震にはどうでしょうか。

今の住まいは、倒壊しないように壁などの構造をがっちりしっかりと固めるという考え方で造られていますが、古民家の場合は、壁ではなく、太い柱や梁をしっかり組み上げた軸組に構造的な力点を置いています。具体的な構造としては、柱や梁は「木組み」といって、端を凹凸に加工した「仕口」で接合し、木でつくった込み栓や楔という小さい部材でおさえます。そうした木組みが何重にも重なり、全体としては家が大きな鳥籠のような構造になっています。この全体が、地震の揺れに対して、木と木とが多少めりこみあいながら一緒に揺れることで「やわらかく」地震力を受け流す、というのが、古民家の考え方です。

そのため、今行われている耐震診断ではどうしても不利な結果が出てしまいます。太い柱や梁を使い、しっかりとつくられ、世紀を越えて地震に耐えて来た古民家が耐震診断にかけると「倒壊のおそれあり」とされるなどというおかしなことがおきています。

ただし、見えない部分で材料が割れていたり破壊されている場合もあるため、軸組が現状どのような状態か確認することが必要になってきます。

 

 

古民家は「容易に再生できる」ということがもっとも大きな特徴です。ずっと朽ちずに永続的にもつということは、この高温多湿で、地震がある日本においては難しいことです。長い生命をもつ古民家は代々の当主が必要に応じて修理や改修を繰り返すことで、維持されてきました。

そんな古き良き古民家を再生し、日本古来の伝統・文化を未来の子供たちに残していくお手伝いが出来たら幸いだと考えています。

 

「古民家リノベーション」にご興味のある方は当社にご相談ください。

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